愛犬の予防接種ガイド|時期・種類・飼い主が知っておきたい注意点

「予防接種って、いつから始めればいいの?」「うちの子には何種のワクチンが必要?」「狂犬病ワクチンと混合ワクチンって何が違うの?」

愛犬を迎えた飼い主さんなら、誰もが一度は疑問に思う予防接種のこと。適切な時期に適切なワクチンを接種することで、命に関わる感染症から愛犬を守ることができます。

パピー期から成犬期まで、予防接種のスケジュール管理は飼い主の大切な役割の一つです。でも、初めての方には分からないことだらけですよね。

今回は、予防接種のタイミングと種類、そして接種時に飼い主ができることについて、分かりやすくご紹介していきます。愛犬の健康管理の第一歩として、一緒に学んでいきましょう。

1. 予防接種の基本知識

なぜ予防接種が必要なのか

感染症から愛犬を守るため ジステンパー、パルボウイルス感染症など、犬の命に関わる感染症を予防します。これらの病気は治療法が限られており、予防が最も効果的です。

法的義務もある 狂犬病ワクチンは法律で義務付けられており、生後91日以上の犬は年1回の接種が必要です。

混合ワクチンと狂犬病ワクチンの違い

混合ワクチン 複数の感染症を一度に予防できるワクチン。5種、6種、8種、10種などがあり、任意接種ですが強く推奨されています。

狂犬病ワクチン 狂犬病のみを予防するワクチンで、年1回の接種が法的義務です。

移行抗体について 子犬は母犬から抗体をもらいますが、生後6〜16週で減少します。この期間中は複数回の接種が必要になります。

2. パピー期の予防接種スケジュール

基本的な接種スケジュール

初回接種(生後6〜8週) ブリーダーやペットショップで接種済みの場合が多いです。接種証明書を必ず確認しましょう。

2回目接種(初回から3〜4週後) 家庭に迎えてから最初の接種。新しい環境に慣れて体調の良い日を選びます。

3回目接種(2回目から3〜4週後) 多くの獣医師が推奨する最終接種。この接種から2週間後に散歩デビュー可能です。

狂犬病ワクチン(生後91日以降) 混合ワクチンと1〜2週間間隔を空けて接種します。

散歩デビューのタイミング

最終接種から2週間後 ワクチンによる免疫完成までに約2週間かかります。

それまでの過ごし方 散歩はできませんが、抱っこで外の世界を見せる、車で外の音に慣れさせるなど、感染リスクを避けながらの社会化は重要です。

3. 成犬期の追加接種

年1回の追加接種

免疫力の維持 予防接種による免疫は永続的ではありません。年1回の追加接種で感染症から確実に守ります。

接種時期 初年度の最終接種から1年後を基準に、毎年同じ時期に接種するのが理想的です。

抗体価検査という選択肢

血液検査で現在の免疫レベルを確認する方法です。十分な抗体があれば接種を見送ることも可能ですが、検査費用がかかります。高齢犬やアレルギー体質の犬で検討されることがあります。

4. 混合ワクチンの種類と選び方

各種ワクチンの内容

5種混合ワクチン(基本) ジステンパー、アデノウイルス1・2型、パラインフルエンザ、パルボウイルス感染症

6種混合ワクチン 5種 + コロナウイルス感染症

8種混合ワクチン 6種 + レプトスピラ感染症(2種類)

10種混合ワクチン 8種 + レプトスピラ感染症(さらに2種類追加)

生活環境による選択

都市部の室内飼い:5〜6種で十分な場合が多い 郊外・アウトドア派:山や川のレジャーが多い場合は8〜10種を検討 多頭飼い・ドッグラン利用:他の犬との接触が多い場合は幅広い対策を

獣医師に愛犬の生活スタイルを伝えて、最適なワクチンを相談しましょう。

5. 接種前後に飼い主ができること

接種前の体調チェック

確認事項

  • 食欲は正常か
  • 元気はあるか
  • 下痢や嘔吐はしていないか
  • 発熱はないか

体調に不安がある場合は接種を延期しましょう。

副作用への対処

軽い副作用(通常1〜2日で改善)

  • 接種部位の腫れや痛み
  • 軽い発熱
  • 食欲低下

注意すべき症状(すぐに獣医師に連絡)

  • 顔の腫れ
  • 呼吸困難
  • 繰り返す嘔吐・下痢
  • 意識レベルの低下

接種後の過ごし方

当日:激しい運動、シャンプー、長時間外出は避ける 翌日以降:食欲・元気の回復を確認、異常があれば獣医師に相談

6. 特別な状況での対応

接種を忘れた場合

少し遅れた場合:できるだけ早く接種 大幅に遅れた場合:獣医師と相談してスケジュール見直し

引越し・転院時

接種記録を新しい獣医師に持参し、転居先の推奨ワクチンについて相談しましょう。

高齢犬・病気の犬

体調や他の病気との兼ね合いを考慮して、獣医師と接種プランを相談します。抗体価検査の活用も検討できます。

まとめ

愛犬の予防接種は、健康で長い一生を送るための重要な基盤です。パピー期の適切なスケジュール管理から成犬期の継続接種まで、年齢と生活環境に応じた計画的な予防接種を心がけましょう。

迷った時は遠慮なく獣医師に相談することが大切。愛犬の体調や生活スタイルを伝えながら、最適な予防接種プランを一緒に考えていきましょう。

適切な予防接種で愛犬の健康を守り、安心して愛犬との毎日を楽しんでいきましょう。

※この記事は愛犬家としての経験をもとにした参考情報です。愛犬の予防接種に関する判断は、必ず獣医師にご相談ください。

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